プーさんの鼻

プーさんの鼻

プーさんの鼻

俵万智の最新歌集。高校の時、「サラダ記念日」に出会って以来、彼女の歌集は必ず読んできた。「サラダ記念日」を読んだ時、口語の短歌が私にとって とても新鮮で、たちまち私は彼女の歌の世界に魅了された。その後、「とれたての短歌です」「かぜのてのひら」「チョコレート革命」を読み経て、今回の歌集「プーさんの鼻」である。今回の歌集は、「子育て歌集」とでも言おうか、「チョコレート革命」時代の不倫の恋の末、シングルマザーとなった彼女の生活から生まれた歌が非常に多い。シングルマザーという生き方のは別として、一母親として胸をつかれる歌が多かった。子育て中のママに是非オススメの本。


題名の「プーさんの鼻」は  生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり  から取られている。

他に
   年末の銀座を行けばもとはみな赤ちゃんだった人たちの群れ
   夜泣きするおまえを抱けば私しかいないんだよと月に言われる
   子を連れて冷やし中華を食べに行くそれが私の今日の冒険 


小説や詩は書こうと思えば書けなくもないが、短歌や俳句はとても苦手だ。31文字に思いを綴るって、本当に難しい。
それにしても、自分の生活とか思いを切り売り?というか吐露しなくちゃならない職業って大変だなあと思う。プライベートはあって無きようなものだろうな ・・・と。あ、でもこういう職業の人はそれが快感なのかなあ。