ハワイアンな啄木

先日、NHK教育にほんごであそぼ」を見ていたら、誰もが知っているであろう石川啄木の歌「はたらけどはたらけど なおわが生活楽にならざり じっと手を見る」 この歌をコニちゃん(小錦)がウクレレを弾きながら、陽気なハワイアンソング風に歌っていた!しかもコニちゃんの前で4人の子供達がフラダンスを踊り、最後に「イエ〜イ!」と元気よくしめているではないか・・・


貧困と孤独に苦しんだ石川啄木を代表する歌であるが、こんな風にかる〜いテイストに仕上げてしまっていいのだろうか?「にほんごであそぼ」は、子供だけでなく私も勉強になるので好きな番組である。これまでは、詩や小説などをビジュアル化したものにこういった違和感を感じることはなかった。むしろ「こんな風に映像化したんだ〜」って感心することが多かったのだけれど、この啄木の歌はどうなんだろう??


まあ、幼稚園児が見たって、この歌の意味を理解できないとは思うが、いくらなんでも「イエ〜イ!」はいただけない。
確かに、この歌を詠んだ啄木の心の中にも、生活の深刻さとは裏腹に、何かこう、自分をせせら笑っているような、どこか遠くから自分を見ているような気持ちがあるのもわかる。「いらだてる心よ汝(なれ)はかなしかり いざいざ すこしあくびなどせむ」(石川啄木)この歌もそんな感じ。

それがこのようなハワイアンテイストとつながる?いや、つながらない。とにかく私はショックを受けたのだ。